生成AI活用マーケティング講座

第2日目
AIを「業務で使う」を体験する

2026年3月5日(水)|講師:山口 竜一

教科書:「生成AI最速仕事術」(たてばやし淳 著)第1章を辞書的に参照

今日の全体像

1限AI法規制を読み解く── 公式ドキュメントをAIで要約する実践
2限入社シミュレーション── AI利用ガイドラインを策定する
3限発注側ロール── 専門領域の課題を整理し案件を投稿
4限受注側ロール── 案件に応募しマーケティング提案を作成
5限マーケティング×AI概論── 提案作業+まとめ

昨日は「AIと握手」。今日は会社でAIを使う1日をシミュレーションします。

1限目(60分)

AI法規制を読み解く

公式ドキュメントをAIで「使える知識」にする

📖 教科書(辞書的に参照)[1-3] 長文要約テクニック ── 公式文書の要約で実践

昨日の振り返り:一番盛り上がった話

⚖️

リスクと著作権

ハルシネーション、
著作権侵害、
個人情報漏洩のリスク

🏢

企業の責任

「AIが作ったから」は
言い訳にならない
→ 使う人間の責任

📜

ルールの必要性

じゃあ実際に
何を守ればいいの?
今日はここから

昨日の5限で盛り上がった「リスク・ガバナンス」の話、今日はその続きから始めます。

世界のAI法規制── 主要3ドキュメント

🇯🇵

AI推進法
(2025年9月施行)

AIの研究開発・利活用を推進する法律。
「AI戦略本部」を設置。
規制法ではなく推進法。

🇪🇺

EU AI Act
(2024年8月施行)

世界初のAI規制法。
リスクベースで4段階に分類。
域外適用あり。

🌍

広島AIプロセス
(G7・2023年〜)

AI開発者向けの国際行動規範
49カ国・地域が賛同。
自主的なルールの枠組み。

加えて「AI事業者ガイドライン v1.1」(総務省・経産省 2025年3月)も実務上の重要文書。

✍️

演習①:公式ドキュメントをAIで要約する

プロンプト例
以下の文書を300文字以内で要約してください。
■ 視点:企業のマーケティング担当者として、業務でAIを使う際に守るべきポイント
■ 形式:「やるべきこと」「やってはいけないこと」の2カテゴリに分けて箇条書き
■ 文書:(ここにコピペまたはURLを貼る)
📖 教科書 [1-3] 長文要約テクニック要約の3つのコツ:①文字数を指定 ②要約の視点を指定 ③出力形式を指定

20分|3つのドキュメントから1つ選んで要約。講師がURLをチャットで共有します。

要約結果を共有しよう

共通して出てくる「やるべきこと」

透明性の確保 ── AIを使ったことを開示する
人間による監視 ── 最終判断は人間が行う
データの適正管理 ── 個人情報・機密情報の入力制限

共通して出てくる「やってはいけないこと」

無断での個人データ入力
AIの出力を未検証で公開
差別的・偏向的な利用
著作権侵害コンテンツの生成

こうした要点が、この後作る社内AI利用ガイドラインのベースになります。

1限目まとめ

日本のAI推進法、EU AI Act、広島AIプロセスの要点を把握した
AIで公式ドキュメントを業務視点で要約するスキルを実践した
「やるべきこと」「やってはいけないこと」を整理 → 次はこれをガイドラインに

次の2限目では、架空の会社に「入社」してAI利用ルールを自分たちで作ります。

2限目(60分)

入社シミュレーション

架空の会社でAI利用ガイドラインを策定する

📖 教科書(辞書的に参照)[1-1] ビジネスメール作成 / [1-2] 日報・議事録 / [1-4] 文書のトーン変換
🏢

本日付けで
ソラシカ株式会社
入社しました

業種:マーケティングコンサルティング
あなたの配属:各自の専門領域を活かしたマーケティング部門
上司:山口 竜一(部門マネージャー)

この会社では、業務にAIを積極活用する方針です。
ただし、AI利用のガイドラインがまだ存在しません

入社初日の最初の仕事

1上司に挨拶メールを書く── 自己紹介+得意領域+意気込み
2AI利用ガイドラインの草案を作る── 1限で学んだ法規制の知識をベースに
3チームで議論して合意する── 議事録を残す

すべてAIを使ってOK。ただし教科書を「辞書」として活用してください。
メールの書き方→[1-1]、議事録→[1-2]、文書の書き方→[1-4]

📖 教科書 [1-1] ビジネスメール

演習②:上司への挨拶メール

プロンプト例
以下の情報をもとに、上司(部門マネージャー)への入社挨拶メールを作成してください。
■ 自分の経歴:(前職の業界・経験年数・得意分野)
■ 伝えたいこと:入社の挨拶、得意領域で貢献したいこと、AI活用への意欲
■ トーン:丁寧語(です・ます)、簡潔に

10分|自分のリアルな経歴をプロンプトに入れてください。AIの出力は必ず校正!

演習③:AI利用ガイドライン草案づくり

1限で要約した法規制の要点をもとに、「ソラシカ株式会社」のAI利用ガイドライン草案を作りましょう。

ガイドラインに入れる項目(例)

1. 使用可能なAIツール
2. 入力してよい/いけない情報
3. 出力の確認・校正ルール
4. AI使用の開示ルール
5. 禁止事項

やり方

① まず個人で草案を作る(AIに相談してもOK
② チーム内で共有して議論
③ 合意した内容をアプリに登録

議論の議事録も忘れずに → 教科書[1-2]

20分|草案作成10分+チーム議論10分

合意したガイドラインをアプリに登録

ブラウザでアクセス

simcw.netlify.app

ニックネームでログインしてください。
合意したガイドラインを「AI活用ルール」に登録します。
これがこの先のすべてのワークの「会社ルール」になります。

今後の作業中に「これAI使っていいのかな?」と迷ったら、自分たちで決めたルールを見返す。

2限目まとめ

架空の会社に「入社」── 上司への挨拶メールをAIで作成した [1-1]
法規制の知識をもとにAI利用ガイドラインを自分たちで策定した
議論の議事録も作成した [1-2] → ビジネス文書スキルの実践

午後から、この会社で実際のマーケティング業務に入ります。

3限目(60分)

発注側ロール

自分の専門領域の課題を整理し、案件として投稿する

午後のシミュレーション:2つのロール

3限:発注側

自分の業界の
マーケティング課題を
「案件」として投稿

全員が1件ずつ出す
→ 12〜13件の案件一覧ができる

4限:受注側

他の人が出した案件から
1つ選んで応募する

AIを使って
マーケティング提案を作成
→ 応募が来た案件の投稿者は発注者続行

就職先で実際にある「社内案件」や「クライアントワーク」の流れそのもの。

まず:自分の専門領域の課題を整理

プロンプト例:課題の整理
私は(業界名)業界で(年数)年の経験があります。
この業界で現在マーケティング上の課題になっていることを5つ挙げて、
それぞれ「課題の概要」「なぜ解決が難しいか」「AIで支援できそうなポイント」を教えてください。

AIの出力を見て「そうそう、これだよ」「いや、実際はこうだよ」と自分の知識で修正する。

10分|まず課題を洗い出してから、次のスライドでブリーフを書きます。

案件ブリーフの書き方

ブリーフに書く5項目

① 業種(自分の経験業界)
② 背景・課題(なぜ困っているか)
③ ターゲット(誰に届けたいか)
④ 予算感(月10万円、ゼロ円 etc.)
⑤ 期待する成果(3ヶ月で○○ etc.)

良いブリーフのコツ

業界のリアルな肌感覚を入れる
→ AIだけでは書けない部分

具体的な数字を入れる
→ 「売上が下がっている」ではなく
「前年比15%減」

教科書[1-4] トーン変換のテクも活用

✍️

演習④:ブリーフを作成して投稿

1simcw.netlify.app で業界タグを選択する
2AIに下書きを作らせて、自分の業界知識で加筆修正する
3完成したらアプリに投稿する
大事なポイント:AIの下書きをそのまま使わない。「この業界でこの予算感はリアルか?」「この課題は本当に存在するか?」を自分の経験で判断してください。

20分|全員1件ずつ投稿。迷ったら手を挙げてください。

全員の案件一覧を確認

どんな案件が出ているか、見てみましょう。
「この業界面白そう」「これなら提案できそう」── 次の時間で応募するので、目星をつけておいてください。

案件によっては応募者が集中するかもしれないし、
誰も来ないかもしれない。それも実務のリアルです。

3限目まとめ

自分の専門領域の課題をAIで整理し、業界知識で修正した
課題をブリーフ(案件概要)にまとめてアプリに投稿した
「発注側」の仕事── 要件を明確に伝える力 ── を体験した

次の4限目では受注側にロールチェンジして、提案を作ります。

4限目(60分)

受注側ロール

他の人の案件に応募し、マーケティング提案を作成する

STEP 1:案件を選んで応募する

選び方のコツ

知らない業界を選ぶ → AIリサーチ力の訓練に

詳しい業界を選ぶ → 深いリアリティのある提案に

就活の志望業界を選ぶ → そのまま面接対策に

応募文を書く

クライアント(=案件を出した人)に
「この人に任せたい」と思ってもらえる
応募メールを書きましょう

→ 2限の挨拶メールスキルがここで活きる!

10分|自分が出した案件以外に1件応募してください。

応募後のロール分岐

自分の案件に応募が来た人

発注者として続行

応募者とやりとりしながら
提案の方向性を確認

「ここをもっと詳しく」
「この方向性でOK」等のフィードバック

自分の案件に応募がなかった人

受注者として集中

応募した案件の
マーケティング提案を作成

AIをフル活用して
4セクションの提案書を仕上げる

どちらの役割になっても実務で必要なスキルが身につきます。

提案書の4セクション

🔍

競合分析

同業他社のWeb・SNS
施策を調べて整理

👤

ペルソナ設定

ターゲット顧客像を
具体的に描く

📝

コンテンツ企画

ブログ・動画・メルマガ
の企画案を作る

📱

SNS運用提案

投稿カレンダー・
プラットフォーム選定

全部でなくてOK。得意なセクションから着手。AI使用メモも忘れずに記録してください。

🚀

提案作成ワークタイム

1ガイドラインを守ってAIを活用する ── 2限で決めたルールを確認
2午前に学んだ要約・メール・文書テクニックを使って提案を書く
3AI使用メモを記録 ── どのAIを、何のために使ったか

30分|発注者はフィードバック対応。受注者は提案作成。講師が巡回します。

4限目まとめ

他の人の案件に応募文を書いた── ビジネスメールスキルの実践
発注者/受注者の両方のロールを体験した
自分たちで決めたガイドラインに沿ってAIを業務活用した

5限目でマーケティングの全体像を学びつつ、提案を仕上げて提出します。

5限目(60分)

マーケティング×
生成AI概論

学科② ── マーケティングの全体像とAI活用+提案提出

マーケティングの基本フレーム

市場調査

顧客・競合を知る

STP

セグメント・
ターゲット・
ポジショニング

4P / 4C

Product・Price・
Place・Promotion

施策実行

コンテンツ・
広告・SNS

効果測定

KPI分析・
改善サイクル

この流れのほぼすべてのステップで生成AIが活用でき、皆さんは今日それを体験しています。

AIが変えるマーケティング業務

🔍 市場調査・競合分析

Before:手動でWebサイトを巡回、数日
After:AIで業界レポートを数分で生成

✍️ コンテンツ制作

Before:1記事に1週間
After:AI下書き+人間編集で1日に複数記事

📱 SNS運用

Before:投稿ネタ出しに毎週悩む
After:月間カレンダーをAIで一括生成

📊 データ分析

Before:Excelで手動集計に半日
After:AIに渡して要点を自動抽出

業界経験 × AI活用力

🤖

AIが得意なこと
大量の情報処理
パターンの生成
下書き・たたき台

👤

皆さんが持っているもの
業界の肌感覚
「これは現場では無理」の判断
顧客との信頼関係

今日1日で体験したこと:AIの出力を業界知識で磨く ── これが就職市場での差別化。

📝

提案の最終仕上げ&提出

1提案内容を声に出して読み返す── 不自然な表現がないか
2数字・固有名詞を最終チェック
3AI使用メモを完成させる
4アプリで「提案を提出」をクリック

15分|完成した人から提出。未完成でもできたところまでで提出OK。

Day 2 総まとめ

1限AI法規制を読み解く ── 公式ドキュメントをAIで要約 [1-3]
2限入社シミュレーション ── 挨拶メール+ガイドライン策定 [1-1][1-2][1-4]
3限発注側ロール ── 専門領域の課題整理+ブリーフ投稿
4限受注側ロール ── 案件応募+提案作業 [1-1]応用
5限マーケティング×AI概論 + 提出 ★学科②

Day 3 予告

📋 宿題

自分に届いた提案を
クライアント目線で読んでおく

「ここがリアル」「ここは甘い」
メモしておいてください

🚀 Day 3

提案のプレゼン+評価

クライアント役の皆さんが
3軸(業界リアリティ・実現可能性・AI活用度)
で評価します

教科書は明日も使います。忘れずに!